業務用空調工事専門店の美ら島空調です。

今回は「業務用マルチエアコン工事を徹底解説!選び方から設置、メーカー比較まで」についてご説明させていただきます。

ビルや店舗、オフィスにとって、快適な空調環境は従業員の生産性向上や顧客満足度、さらにはランニングコストにも直結する重要な要素です。その中心となるのが「業務用マルチエアコン」です。一台の室外機で複数の室内機を動かすことができるこのシステムは、多様な空間の空調を効率的に実現します。

この記事では、業務用マルチエアコン工事について知りたい方へ、基本的な仕組みから、家庭用エアコンとの違い、最適な選び方、主要メーカー製品ラインナップ、そして設置工事のポイントまで、詳しく解説いたします。


1. 業務用マルチエアコンとは?家庭用エアコンとの違い

業務用マルチエアコンは、大規模な空間や複数の部屋を効率的に空調するために設計されたシステムです。その特徴は、一つの室外機複数の室内機を接続し、それぞれ個別に運転温度設定ができる点にあります。

業務用マルチエアコンと家庭用エアコンの主な違い

業務用エアコン家庭用エアコンは、見た目が似ていても、その設計思想や能力には大きな違いがあります。

  • 設置場所: 業務用エアコンはオフィス、店舗、工場、病院、学校など、広範囲の空間。家庭用エアコンは一般的な住宅の部屋。
  • 冷暖房能力: 業務用は高く、長時間運転に耐える設計。家庭用は部屋のサイズに合わせた能力。
  • 機能性: 業務用は個別制御、集中管理、高機能な省エネ運転、高度なエラー診断が可能。家庭用はシンプルな操作性が特徴。
  • 耐久性: 業務用は長時間・高頻度運転に耐えられるよう設計されており、家庭用よりも高い耐久性が求められます。
  • 室内機種類: 業務用は天井カセット型、天井吊型、天井埋込ダクト型、壁掛型、床置型など豊富。家庭用は壁掛型が主流。

業務用マルチエアコンは、各部屋の利用状況や用途に合わせた最適な空調管理が行えるため、オフィスビル商業施設ホテル病院学校など、多くの人が利用する建物で特に適したシステムと言えます。


2. 最適な業務用マルチエアコンの選び方|5つの重要ポイント

最適な製品を見つけ出すために、まずは以下の5つの基本ポイントをしっかりと押さえましょう。

  • ① 設置場所の特性と主な用途の明確化:
    • 確認事項: 建物の種類(オフィス、店舗、工場など)、部屋の広さ・天井の高さ、窓の大きさや方角、人の出入りや密度、設置スペースの制約などを具体的に把握します。
    • 重要性: これらが能力選定や室内機のタイプ選定の基礎となります。
  • ② 適切な製品タイプ(室内機・室外機)の選定:
    • 室内機の種類: 天井カセット形(4方向・2方向・1方向)、天井埋込ダクト形、天井吊形、壁掛形、床置形など、設置場所の意匠性や必要な気流、メンテナンス性を考慮して選びます。
    • 室外機の選定: 設置スペース、騒音レベル、搬入経路などを考慮します。
  • ③ 省エネ性能と運転効率の重視:
    • 確認指標: APF(通年エネルギー消費効率) などの省エネ指標を確認し、数値が高い製品を選ぶことで、長期的なランニングコスト(電気代)を削減できます。
    • 重要性: 環境負荷低減にも貢献します。
  • ④ 設置面積や空間利用の有効性の考慮:
    • ポイント: 室外機の設置スペースだけでなく、室内機の配置によっても空間の使い勝手が変わります。天井埋込型などでスッキリ見せるか、メンテナンス性を重視するかなどを検討します。
  • ⑤ 予算とトータルコストのバランス:
    • 考慮点: 初期導入費用(本体価格+工事費)だけでなく、ランニングコスト(電気代)、メンテナンス費用を含めたトータルコストで比較検討することが賢明です。

3. 【設置環境・用途別】業務用マルチエアコン選定の具体的なポイント

設置する環境や主な用途によって、重視すべきポイントや最適なエアコンのタイプは異なります。

  • オフィスの場合:
    • 重視する点: 各執務エリアでの個別温度調整、静音性、デザイン性(内装との調和)、OA機器からの発熱への対応、省エネ性能。
    • 適切な室内機例: 天井カセット形4方向タイプ(均一な空調)、天井埋込ダクト形(意匠性が高い)。
  • 店舗(小売店・飲食店など)の場合:
    • 重視する点: お客様の快適性、空間デザインとの調和、人の出入りや厨房機器からの発熱を考慮した十分な能力、温度ムラの解消、省エネ運転。
    • 適切な室内機例: 天井カセット形、デザイン性の高い壁掛形や床置形。飲食店では油煙対策機能付きも検討。
  • 工場・倉庫の場合:
    • 重視する点: 大空間に対応できる大能力、耐久性、作業環境に応じた気流制御(スポット空調など)、粉塵や油分への耐性、メンテナンスのしやすさ。
    • 適切な室内機例: 天井吊形、床置形、大風量に対応できるダクト形。

4. 主要メーカー製品の比較検討|ダイキン・東芝・日立などの特徴を理解する

業務用マルチエアコンは、ダイキン東芝日立、三菱電機、パナソニックなど多くのメーカーが提供しています。各メーカーには、以下のような特徴や強みがあります。

  • 技術的特徴: 省エネ技術、気流制御技術、静音性、耐久性、独自の快適機能(AI制御、除湿機能など)。
  • 製品ラインナップ: 特定の用途に強い製品群、デザイン性の高い製品、寒冷地仕様製品など。
  • サポート体制: 保証期間、メンテナンスサービス網の充実度。

これらの特徴を比較検討し、自社のニーズ(特に重視する性能、予算、設置環境)に最も合致するメーカー・製品を選び出すことが重要です。複数のメーカーの製品を比較検討することで、より客観的な判断が可能になります。


5. 設置工事のポイントと費用について

最適な機種を選定しても、設置工事が適切でなければ性能を十分に発揮できません。

  • 能力選定と配置計画: 専門業者による現地調査に基づき、過不足のない能力の機器を選定し、効率的な空調が実現できる配置を計画します。
  • 配管・配線工事: 冷媒配管やドレン配管のルート、電源や制御線の配線を、建物の構造や美観に配慮しつつ確実に行います。
  • 費用構成: エアコン本体価格に加え、設置工事費(室外機・室内機設置、配管・配線工事、試運転調整費など)、既存機がある場合は撤去費用も考慮が必要です。

6. 専門家(業者)への相談が最適な選択への近道

業務用マルチエアコンの選定は専門的な知識が求められるため、信頼できる専門業者に相談することを強くお勧めします。

  • メリット:
    • 豊富な知識と経験に基づいた的確なアドバイス。
    • 現地調査による正確な状況把握と最適な機種選定・設計提案。
    • 複数の選択肢とそれぞれのメリット・デメリットの客観的な説明。
    • 詳細な見積もりとコストパフォーマンスの評価。

業務用マルチエアコンの導入は、快適な作業・店舗環境の実現、省エネによるランニングコストの削減、そして従業員や顧客満足度の向上に直結する重要な投資です。本記事でご紹介した選び方のポイントを押さえ、専門家アドバイスも活用して、最適な一台を選ぶことの重要性を再強調します。

弊社でもお客様に最適な空間を提供できるようご提案させていただいておりますので、 相談したい内容がございました是非お問い合わせください。

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